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元来、魚津という土地は知的生産の盛んな土地柄であり、その代表として「魚津の三太郎博士」が挙げられます。現在の魚津にも高い技術力をもつ中小企業が存在します。このブログは、それを広く感じてもらうために開設しました。

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日本海電業を訪問しました

日本海電業を取材しました

若林社長
若林忠嗣 代表取締役

 

会社の設立当初のお話を教えてください

 

会社の設立は昭和37年ですが、もともとは先代が、魚津港で漁船のバッテリーを充電することを業としたのが始まりです。

その当時は「焼玉エンジン(※1)」といわれたポンポン船(※2)の小さい漁船がとても多かったのですが、そういう仕事をしている会社は、おそらく魚津では唯一だったと思います。現在の港町の、たてもんの倉庫があるあたりに作業場があり、「たてもん祭り」(※3)にも携わりました。その頃のたてもんには、提灯を点灯するためにバッテリーを積んでおり、ものすごく重たかったと聞きました。

昭和30年代になり、北洋漁業が盛んになると、船舶も大型化し、無線設備、電気設備、ディーゼルエンジンの工事とメンテナンスの需要が高まり、北海道や気仙沼にも出向いて行うようになりました。

これがまさしく「日本海電業」の始まりです。

※1 焼玉エンジン

圧縮と、燃焼室にあるグロープラグの熱とによって、燃料の着火を行う内燃機関の一種。

※2 ポンポン船

 焼玉機関を用いた実用の船の通称(エンジン排気音の擬音に由来)。

※3 たてもん祭り

毎年8月第1金・土曜日の夜に諏訪町で行われる祭り。「諏訪神社」氏子の町内から、7基の“たてもん”が繰り出され、はっぴ姿の威勢のよい若者によって曳き廻される。県の有形民俗文化財、国の重要無形民俗文化財の指定を受けている。

 

その後はどう変化しましたか

 

対ソ連との関係で、漁船の操業が難しくなってきて漁業が縮小されると、インフラ整備、住宅の電気工事など、陸での事業が増えていきました。いわば「丘にあがった河童」になったわけです。そのほか、船で得た無線知識を活かし、タクシーの無線事業へとつなげました。その頃無線機は「真空管」だったので、車の振動による故障が頻繁に起きましたが、無線による利便性はすばらしいものでした。また、運輸会社のダンプカーやクレーン車の無線事業にも事業を展開しました。

そして、家電が登場すると、白黒テレビ、冷蔵庫、洗濯機が一般家庭に出回りました。当時、文化町、中央通り、真成寺町は大変にぎわっていたものですが、その頃、真成寺町に家電小売店舗を出店しました。とにかく休みなんかもらえないし、1231日の夜7時に至るまでテレビの配達をしていた記憶があります。みなさん紅白歌合戦が見たかったのでしょうね。日本の経済が右肩上がりの時代の話です。

 

活気あふれる時代だったんですね。その後は?

 

官公庁のインフラ整備とともに世の中に「防災」という意識が芽生え始め「広報無線」が始まりました。県内でそれを最初に設置したのが下村(現在の射水市)です。当時、これからは「無線通信設備」の時代だろうと感じたものですが、現在は「情報通信」なしではありえない時代です。ここまでの進化は当時の想像を超えていますね。現在は、情報通信の発達により、地球上で時差がなくなっていると言われるくらいですから。

消防車輌などはもちろんですが、最近ではダム管理設備高速・国道のトンネル内ラジオ再放送設備も、わが社の得意とする分野です。

無線屋から光(デジタル)を扱う企業へと移行しているのです。

 

防災情報設備も業務としてありますね

 

災害時の現場の映像操作などを担当しています。国や地方自治体の衛星移動車の操作を応援しています。現場の様子がリアルタイムで、関係諸官庁で見られるわけです。

数年前の能登沖地震や、入善町の高波の時も、社員は一週間くらい車の中で寝泊りしながら、現場映像を送りました。今回の東日本大震災では津波による甚大な被害がありましたが、現場に操作車輌を運ぶことを思うと、富山県で言えば常願寺川、神通川等の大河川の橋が心配ですね。津波があった場合を考えると、海岸部に隣接している道路が心配です。

機材・人の運搬をどのようにすればよいか今後の大きな課題ですね。

我々の仕事は、現在かなりのボリュームが防災です。ですから今回の大地震で、色々なことを考えさせられました。社員の家族のことを思うと、どこまで企業としてやるべきなのか、どこからがやれない範囲なのか、これからもよくよく考えていかなければならない問題です。

 

独自の取り組みはありますか

 

今はメンテナンス業が中心ですが、高度な機器と技術が必要とされますあそこでないとダメ」と言われる企業でなければならないと思っております。

復旧の時間を争う上水道設備や、道路・ダム・河川の管理設備等、公共性の高いものの修理対応は24時間体制になります。魚津市の水道は全て地下水というのはご存知かもしれませんが、昔は簡易水道の地域が多く、夜中に障害が起きると直ちに出動し、朝までには復旧しなければならなかったので、四の五の言っていられませんでした。とは言え、今はシステムも機器も良くなりましたので、夜中の出動回数も殆どなくなりました。

 

地域貢献について教えてください

 

企業として「安心、安全」をモットーとしておりますが、地域貢献という話になると、うーん、それは人が認めるものであって自分から語るものではないような気がしますね。

 

社長個人としての地域貢献もたくさんおありですね

 

自分が声をかけることによって良くなることであれば、自分が一歩動かないといけないだろうと思っています。ここ十年ほどはそんなことばかりしているかな・・・

「チャンスは貯金できない」と思って、新川文化ホールの活用、市民大学の開設など、気持ちでぶつかってきました。

 

若い社員とよくお話されると聞きましたが

 

野球に例えてよく話をします。守備の時、ピッチャー返しのゴロを誰が取るか?その時のランナーの有無やアウト数などの状況によって、セカンドが取るのか?ショートが取るのか?誰がカバーにまわるのか?決してベース上に境界線があって守備範囲が分けられているわけではないと思います。マニュアルだけでは良い仕事はできません。

若い人へのエールとして、「自分で自分の能力を決めてはいけない」と言っています。

 

今後の事業展開について教えてください

 

小水力発電など、新エネルギーへの事業を始動しています。小水力発電とは、電力会社などがダムで発電するものよりはるかに規模の小さい、数百W~数kWの発電を、町なかの用水などを利用して行うものです。家庭用、農業用、観光施設用などの用途に用いることが期待されています。

富山県には水量は豊富にありますし、特有の地形を活かした資源がたくさんあるので、これから、小水力発電への活用が期待されます。
 小水力

参考:山梨県都留市の設置している発電用水車

都留市で開催された「第1回全国小水力発電サミット」に参加した折、見学してきたものです。市役所の駐車場内にあり、間近で見るとたいへん迫力があります。この水車ともう1台をあわせて、市役所庁舎で使う電力の30%をまかなっているとのことです。また、見学に年間2千人程が訪れるそうです。

(解説:若林健嗣 専務取締役)
 

社員の方にお話を伺いました

車谷さん
無線通信部 車谷 友弘さん(魚津市出身・黒部市在住)
岩崎さん 

無線通信部 岩崎 尚典さん(兵庫県出身・魚津市在住)
山本さん

無線通信部 山本 早苗さん(魚津市出身・魚津市在住)

 

自己紹介をお願いします

 

(車谷さん)

入社6年目で主に通信関係の仕事をしています。テレメーターといって雨量や水位などのデータを収集したり、点検修理をおこなったりしています。

 

(岩崎さん)

大学卒業後、入社して3年目です。通信関係で放流警報機のメンテナンス市町村防災のメンテナンスなどを担当しております。

 

(山本さん)

入社4年目で、車谷さんとチームを組んで通信関係の仕事をしています。もちろん現場に出ております。鉄柱にも登りますし、山の中に入って全身泥だらけになることもあります。

屋外拡張子局点検

市町村防災の屋外拡声子局点検作業

 

こういう職種では、女性の方は数少ない戦力ではないですか?

 

(山本さん)

はい、少ないです。うちの会社ではもう一人女性がおります。

(車谷さん)

山本さんには現場で活躍してもらっています。入社してきた時「女扱いしないでください」と言われたので・・・(笑)

 

そうですね、山本さんを見ているとすごくパワーを感じます。

では、仕事中のご苦労などお聞かせ下さい。

 

(山本さん)

やはり、男性に比べて力がないので高所に登るときが大変です。

(車谷さん)

緊急を要する故障時の対応ですね。情報がリアルタイムにインターネットで判りますので、夜中に出動する場合もあります。

(岩崎さん)

私は、まだまだ要領が悪くて、作業についていけない場合もあったりします。業務においては専門的な知識が必要とされますが、それがまだ十分に備わっていないこともありまして。

空中線点検

市町村防災の空中線点検作業

 

入社に至った経緯を教えてください

 

(車谷さん)

前職を退社後、職業訓練校に通っている時に、この会社で2ヶ月ほど実習に来ていて「いい会社だなぁ」と感じたのがきっかけです。この会社に入社する前も、元々電機関係の仕事をしておりました。

(岩崎さん)

兵庫県出身で阪神大震災を経験していることもあって、防災の職業に興味がありました。

(山本さん)

地元出身なので、昔からこの会社に良いイメージを持っていました。父親がアマチュア無線をやっていたので、無線を身近に感じられたことや、私自身音楽が好きで、面接の時に音楽の話で盛り上がったのもよかったのかな・・・

面接の時、この会社の仕事は大学を出てきてすぐできるというものではなく、入社してから覚えていくことがたくさんある、と説明されましたね。

河川放流空中線点検

河川放流警報装置鉄塔の空中線点検作業

 

フランクな社風で、人間関係、チームワークがよさそうな環境に見えますが?

 

(車谷さん)

そうですね、よく話もしたりしますし、アットホームな会社ですね。

(山本さん)

私は、時事的な話や環境の話をしに、気軽に社長室に入って情報交換したりしています。

 

入社時の不安はありましたか?

 

(車谷さん)

無線通信の経験がなかったので、難しそうなイメージがありました。あと、年配の社員の方が怖そうに見えました。

(山本さん)

危険を伴う作業もありますので、しっかり注意してもらうことが怖く感じることもあるのですが、やはりありがたいです。

 

仕事のやりがいを教えてください

(車谷さん)

防災に関わっている仕事なので、地域の役に立てているとの思いがあります。また、今では一つの現場を任されるようになったので、完成したときの達成感もあります。

(岩崎さん)

検査が無事終わったときの達成感ですね。

(山本さん)

工事が完了すると、テストが終わった後みたいにうれしいですね。それと、私は魚津市民なので、市の仕事をすると市のために役立てたかなと思いますね。

車載無線機点検

市町村防災の車載無線機点検作業

 

魚津市に対して何かご意見はありますか?

 

(車谷さん)

魚津市だけの話だけではないのですが、子どもが減っているようで心配です。

(岩崎さん)

食べ物の話ですが、魚、ばい貝、ほたるいかがすごく新鮮でおいしいです。雪もそうなのですが融雪装置は初めて見ました。不便はあまり感じず、住みやすいですね。

(山本さん)

4世代で大町小学校校下に住んでいるのですが、周りに若い世代がいないので寂しいですし、将来的な心配もあります。もっと地域ぐるみで世代を超えて交流し合える場が欲しいです。

あと、仕事上関心があってなんですが、「津波ハザードマップ」の作成を急いで欲しいです。今回の震災ですごく心配になりました。

 

これから就職される方へ、社会人としてのアドバイスをお願いします。

 

(車谷さん)

「挨拶ができる」が基本ですね。あと、自分の考えをきちんと言えることですね。

組織の中に入るとなかなか意見を言えなかったりするのですが、おかしいことはおかしいといえる人がいないと、会社も向上しませんから。

(岩崎さん)

私も気をつけたいのですが、対人関係において細かい気配りができるとよいと思います。また、興味がある分野の資格などを取っておくといいですね。学生時代の方が時間はいっぱいありますから。

(山本さん)

仕事以外で打ち込めるものを見つけておいて欲しいですね。

人と関わるときのために、自分自身にどれだけのネタを仕込んでおくかが、社会人になってからは大切だと思います。

 

編集後記

この取材で特に感じられたのが、社員の皆さんのお話から垣間見えるチームワークでした。社員の方同士はもとより、社長と社員の皆さんとのコミュニケーション、距離の近さが、スムーズな人間関係や信頼関係につながり、そして強いチームワークとなって感じられるのだろうと容易に想像されました。

 幅広い分野で様々な活動を展開されている社長、そして「安心、安全」のため24時間体制で業務にあたる社員の皆さんの活躍により、これからも必要とされ、信頼される企業であり続けてほしいと思います。

 

日本海電業ホームページ

www.nihonkai-dengyo.co.jp/

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プロフィール

uozusantaro

Author:uozusantaro
富山県魚津市の企業・産業を知ってもらいたいと感じている市職員グループです。

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