元来、魚津という土地は知的生産の盛んな土地柄であり、その代表として「魚津の三太郎博士」が挙げられます。現在の魚津にも高い技術力をもつ中小企業が存在します。このブログは、それを広く感じてもらうために開設しました。

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シキノハイテックを訪問しました

㈱シキノハイテックを訪問しました

社長  
尾定 祐昭 代表取締役社長

 

事業の内容を教えてください

簡単に表現するのは非常に難しいですが、事業領域は主に半導体です。LSI設計事業・半導体検査装置関連事業の大きく分けて2つの業務を行っています。

 

創業について教えてください

元々は志貴野メッキを親会社として、1975年に株式会社シキノとして会社を設立したのが始まりです。その後、志貴野メッキ株式会社の電子事業部として、エレクトロニクス分野に進出したのが1986年です。

 

現在に至るまでの歩みを教えてください

大きな転機だったのは2004年、カネボウ電子関連事業の営業譲渡により、大阪にも拠点を拡大したことです。さらに2006年、小野測器の半導体検査部門の営業譲渡を引き受けました。事業の査定やプレゼンなどを含め、事業をうまくとりこむ経験はそれらを通して積みました。2003年、2004年が業績のピークだったので、その後、事業拡大に伴う経費の増大、受注製品の一巡に加え、リーマンショックによる売上減に見舞われ、業績としては厳しくなりました。しかし、ここ3,4年は総売り上げの4.2%程度の金額を、次につながる研究開発に投資しており、幸い2009年の10月以降の業績は上向いています。
画像処理

画像処理ボード

 

今後の展開について教えてください

2001年にISO14001(※1)を取得しましたが、この時は、グリーン調達基準(※2)を推進するリコーとの取引上の都合がきっかけでした。それを皮切りにISO9001(※3)も取得し、さらに2011年1月には、ISO27001(※4)を取得する予定です。

半導体の産業分野で今後、生き残っていくためには、顧客の需要に対して応えるだけではなく、顧客に対して提案していかねばなりません。このことから、業績が低迷していた2009年に、より強い分野を強くするため、投資をどの事業に絞り込むかを協議しました。その結果、デバイス事業と電子事業の2つに分け組織化し、2つの形で事業を推進しています。デバイス事業本部に関しては設計が得意分野であり、その中でも特に画像処理の技術を得意としています。今後、カメラモジュールをキーデバイスとして次の展開を図っていこうと考えています。

※1 環境マネジメントシステムに関する国際規格。

※2 環境負荷の少ない原材料・部品を優先して調達するための基準。独自の「グリーン調達基準」を設け、グリーン調達達成状況を環境報告書などで報告する企業が増加している。

※3 品質マネジメントシステムに関する国際規格。

※4 情報セキュリティシステムに関する国際規格。

 

シキノハイテックが供給する、ATM防犯画像に使われる部品の国内シェアが今後100%になるという報道がありましたね

それは、最近整備が増えてきている、コンビニエンスストアのATMに使われる、カメラモジュールのことです。

我々の技術が、長期の信頼性という面でかなり好評をいただいている結果だと思います。その他にも、今後は我々が普段使っているものにも、シキノハイテックのJPEG技術が使われることになります。例えば、業界上位メーカーのデジタルカメラには、ほとんど当社の技術が使われていますし、他にも大手企業に当社の技術が採用されています

 

特にこの分野は技術革新が速いものと聞きますが、どういった取り組みで対応していますか

取り組み方としては、設計部門のデバイス事業本部で事業戦略として“SHIPS”Shikino High-tech Image solution ProjectS)という名称をつけ、画像・映像関系事業をどのように推進するかを毎月協議しながら、需要対応の方向性を検討しています。もう一方は半導体の検査部門である電子事業本部ですが、こちらでは“SSTEP”Shikino Semiconductor Test Engineering solution Provider)という名称で事業の推進、半導体検査装置関連の強化に取り組んでいます。

 

業績不振にあっても攻めの姿勢というか、研究費用は確保して、種をまいているところが、不況にありながら芽がでてきているということですね

これらの取り組みを調整し「進化・深化・新化」をさせ事業の推進をしていけば、自ずと業績は出せると考えています。限りある経営資源を有効なものにするために、それぞれの資源、さらに事業の進捗状況の「見える化」推進に取り組んでいます。経営層は経営状況を常に把握し、事業を推進している人も進捗状況を常に見えるように努めていきたいと考えています。

企業は良いときと悪いときが必ずあります。良いときは悪いときを考え、悪いときは良くなったときを考え経営していかねばなりません。悪いからと言って精神的に落ちこんで投資をためらうと成長がないのです。次の手を打つための準備を備えた状態で経営してきたことが、今、プラスになっており、打つ手は今後さらに多くなります。そういう状態を作りこんでさらに社内の経営可視化に取り組む、これを社内の共通言語にしていきたいと思っています。

 

海外との関わりについて教えてください

中国も含め東アジア、東南アジアは人件費が絶対的に安いのでコストを下げることができます。その中で日本が生き残りをかけるには、例えば、海外にはなく、日本でしか作れないもの、もしくは、日本内需で使えるようなものが必要となります。そういう意味で、画像・映像は有効な分野です。画像技術は広範に利用でき、例えばセキュリティ、歯医者のレントゲン、ロボット用の複眼に用いられるものなど、色々なものを我々は受託で開発しています。それによりノウハウが蓄積し、ノウハウを共用できるものが作れるのです。それをプラットフォームと言いますが、プラットフォーム処理によって、優れた技術をスピーディに活用できるようになります。それが開発力の評価につながり、依頼が集まる可能性を秘めています。そういう面で強いものをより強く、そして極力、共通的なことを手掛けることが差別化につながるのです。

また、LSI設計事業も半導体事業も、海外企業との取引は増えており、海外への展開が当面の課題です。海外を知るという面では英語が必要と考え、4,5年前に英会話教室を実施しました。受講した者の中には、アメリカやヨーロッパ、フィリピン、台湾をまたにかけ、飛び回っている社員もいます。

 

魚津を中心に事業展開されていますが、会社として魚津という土地に思いはありますか

まず、主要取引先のサポート領域という面がありました。それと高速ICも近く、駅も近い。加えて、創業がこの地なので、従業員もこの周辺に住んでおり、場所を急に変えるわけにはいかない。そこで、この地でより安定度を高めてなるべくいい人材を確保し、そこから東京・大阪に発展していこうと考えました。

また、プレゼン資料には魚津の位置関係に加え、蜃気楼、魚、たてもんなどの写真をつけて魚津のロケーションを説明、PRしています。顧客には当社への訪問を勧めます。一度、来てもらうとファンになりますから。魚がおいしいと言われますが、昼食が食べられてリーズナブルなところがもう少しあればと思います。今年から歳暮は魚津ものに変更しましたが、魚津の干物はおいしいですよ。それをもうちょっと集約したおもしろい施設ができないかと思うのですが。

また、2011年には、25周年記念事業として少年野球(市体兼富山県スポーツ少年団競技別総合交流大会魚津市予選)のスポンサーとして優勝旗の寄贈をしたいと考えています。

 

最後になりますが、会社としてどのような人材が求められていますか

何事にも興味関心を強く持って、向上心がある人ですね。今はそれを全面に出す学生は少ないですが。基礎学力はあったほうが良いですが、それは会社に入ってからでも補えるものです。興味関心があれば、問題が発生したときに「なぜ、なぜ」と追求することで問題の本質を見ることにつながります。本質が見えれば、いい対策が立てられ、いい対策が立てられれば問題も克服できるものです。

 

従業員の方々への取材

米田さん  

電子事業本部 電子機器部 製品技術課

米陀 英子さん(黒部市在住)

 

仕事の内容を教えてください

納期管理を担当しています。部材発注担当の購買部門から部材の納期を聞き、製造の日程を組みます。ただ受注するものが一品一様で、短納期のものがほとんどなので、営業担当者や製造現場とのやりとりがちょっと大変です。営業担当者もたくさんいますから、それぞれ持ってくる要望と日程との兼ね合いで苦労することも多いです。

 

普段気をつけていることはありますか

海外の部材を発注したりしますが、なにぶん海外なので、間違ったものが入荷されたり、通関の関係で入荷が遅くなったりすることがあるので、その点は特に注意を払っています。また、なるべく残業しなくてもよいようにスケジュールをたてるとか。そんな中で営業担当者から、納期前倒しの希望を伝えられ困ることもありますが、やはりお客が第一なのでなるべく希望に応えたいと思っています。

 

入社のきっかけを教えてください

大手と取引がある会社ですし、これから大きくなるかなと思いまして。私は文系なもので何も知らないのですが、この会社は面白そうだと思ったのがきっかけでした。文系なのに、なぜか最初は回路設計の部署に配属されました。当時は全く素人で、回路配置の常識がわからず顧客に迷惑をかけたこともありました。

 

魚津の印象を教えてください

娯楽施設があまりないように思います。でも、海も山もあっていいところだなと思います。黒部も何もないですが、魚津の方が観光するところがあるのではないですか。

 

これから就職しようという人にアドバイスやメッセージをお願いします

色々な人と出会い、色々な価値観を経験してきて欲しいと思います。最近は、うまくコミュニケーションがとれない若者が多いように思います。自分のことをうまく説明できない、意思表示ができないといいますか。あとは、趣味を持っていればいいのではと思います。もし会社で嫌なことがあっても、趣味があればそれに没頭してリフレッシュできるかなと。(ちなみに米陀さんはお茶を習っているそうです)

折田さん  

電子事業本部 製品開発部 製品開発課

折田 匡史さん(滑川市在住)

 

仕事の内容を教えてください

製品開発ということで検査装置関連の設計、回路設計をやっています。ものづくりの一番最初の部分であり、営業担当者と技術同行して、顧客の要望事項をとりまとめ、施工・板金も私の方で指示しています。

 

人工衛星に搭載された画像技術の開発にも携わられたとか

人工衛星に搭載されるカメラモジュール開発の話をいただいた当時、私はモジュール開発を担当していたのですが、たまたま私がその回路設計に携わることになりました。納品後、色々な耐久試験を勿論クリアしたわけですが、いざ宇宙に飛んでみないとうまく作動するかわかりませんし、宇宙に飛んだ後は直しようもないので、気を使いましたし緊張しました。しかし、携わったおかげでメディアに色々と取り上げていただき、当社のカメラ事業に関する問合せも多くなりました。
まいど1号

「まいど1号」の紹介

元々、将来の視野に「宇宙」はありましたか

ないですね。あまりにもスケールが大きすぎて。こういうかたちで携われていい経験になりました。それに、普段は産業機械ばかり設計しているので、なかなか友達や親族に自分がどんな仕事をしているのか伝えにくいのですが、これなら伝わりやすいですね。

 

入社のきっかけを教えてください

中学校のときには、ものづくりや設計をしたいと漠然と思っていました。ポリテク主催のものづくり大賞ももらいましたね。高校、大学と工業系に行っていました。就職にあたっては、長男なので実家に戻らないといけないこと、始業が朝8時45分ということで他と比べて遅いこと、魚津方面もバイパスがつながってアクセスもよくなっていたこと、あとはちょうど売上がグンと伸びていたことなど、色々な要素があって就職を希望しました。(折田さんは2004年入社だそうです)

 

魚津の印象を教えてください

夜の街は新川地区の中では充実していますね。入社後、初めて連れていってもらったのですが、思ったよりあるなと。それまではなかなか魚津を訪れることがなかったので・・小さい頃はサンプラザにしか行っていませんでしたし。

 

これから就職しようという人にアドバイスやメッセージをお願いします

今、世の中に出回っているもの、ひとつひとつに興味を持って、何事も当たり前と思わず「どうして」と思うことが大事だと思います。例えば、携帯電話がどうしてこういう形なのか、どうしてこういうボタン配置なのかとか。それと社会人になったら、「はい・いいえ」の意思表示に加えて理由づけもできればよいと思います。物事に興味を持たないから、言われるままになるのではないでしょうか。技術力は最低限、学校で習うことで十分だと思います。私も顧客から難しいことを言われたら、その都度勉強しています。むしろ必要なのは、聞き出せる能力ですね。顧客が何を求めているか、会話の中で真の意図を探る技術力の方が重要です。

 

編集後記

カネボウや小野測器の営業譲渡をうまく活かした事業の拡大、一方で業績が思わしくないときでも怠ることのない投資など、常に挑戦を継続してきたというシキノハイテック。取材を通して、「挑戦なくして成功はありえない」の精神が、説得力を伴いながらひしと感じられました。また、何事にも興味関心を強く持ち、「なぜ、なぜ」と追求して、問題の本質に迫る人材が求められるというお話がありましたが、我々としてもその姿勢を見習っていかなければならないと思いました。

 シキノハイテックのホームページ 
  www.shikino.co.jp


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プロフィール

uozusantaro

Author:uozusantaro
富山県魚津市の企業・産業を知ってもらいたいと感じている市職員グループです。

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