元来、魚津という土地は知的生産の盛んな土地柄であり、その代表として「魚津の三太郎博士」が挙げられます。現在の魚津にも高い技術力をもつ中小企業が存在します。このブログは、それを広く感じてもらうために開設しました。

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ダイヤモンドエンジニアリング(DEC)を取材しました

ダイヤモンドエンジニアリング(DEC)

を訪問しました

DEC社長
代表取締役社長 篠晋也氏

 

会社の概要について教えてください

私どもは土木、建築、製鉄、化学、工事、電気など、各分野におけるエンジニア集団です。お客様と打合せを重ね、生産能力、レイアウトなどを聞いてオーダーメイドの工場、プラント、機械、装置などの設計・施工・メンテナンスまでを行います。売上比率は輸出が約30%、県内は親会社を含め約20%、あとは日本全国に対し事業展開しています。新規開発事業にも注力し、つい最近では浄化センターなどで使用される汚泥減容システムを開発し、微生物を利用して、汚泥を40%減らすことに成功しました。また、バイオマス熱分解ガス化発電設備などの環境設備の建設も行っています。環境測定、作業環境の測定、環境分析・調査を行う分析事業もあります。そのほか、グループ会社の建築事務所では学校や公民館の設計、ありそドームの設計も手がけました。また、去年の91日、中国での営業活動及び海外調達の拠点として、大連に子会社をつくりました。

 

大連に子会社を設立されたとのことですが海外向けにどういった事業展開をされていますか

当社の特徴はエンジニアリング会社ですので生産設備をもたないことにあります。我々は人間の知恵でモノをつくるので、設備投資や何百人、何千人の雇用を必要としません。海外進出の際にそれらのコストが必要ないので、我々のフットワークは軽いですね。設計だけをして中国で製作する指導をしています。今では中国でものを製作して日本に輸入してくることもしています。機械加工の多いものは中国でつくるとざっくり言って経費が1/3程度になりますので。国内受注が成立し海外で調達しようとなった場合、輸出通関、輸入通関、船舶など様々な手配が必要になりますが、それらを商社に依頼せず自分たちで取りまとめてやっています。

 

今後の海外展開について教えてください

中国の粗鋼生産量は約6億トンです。ちなみに世界全体では約13億トンになります。中国では現在ビル、高速道路、橋、港湾等インフラ整備が進行中で、それだけ鉄の需要があるということです。ただ中国の鉄需要はそろそろ頭打ちでないかと思います。一方、インドの生産量は7千万トンです。人口規模から言っても次の我々のビジネスチャンスはインドだろうと考えています。また、インドネシアへの進出も計画しています。

なぜアメリカやヨーロッパを差し置いて日本の魚津にある我々の技術が世界一か不思議でしょう。欧米にはスクラップがたくさんありますが、スクラップを使うと割と簡単にいい鉄がつくれるのです。日本には戦後スクラップがなかったので、鉄を作る際に全部鉄鋼石から処理していました。その場合高炉から転炉までのあいだであらかじめ処理をする技術が必要になります。欧米にはその必要がなかったということです。その点アジアなどにはスクラップがないので、そこでDECの技術が必要になるのです。

 

世界一の技術を有する会社が、魚津に本社を置く理由は何ですか

以前は東京でないと海外ビジネスができなかったのですが、今はインフラ整備だとか、科学技術の進歩により、魚津でもハンディキャップなく事業ができるようになりました。また、我々の会社規模では東京では優秀な人材がなかなか集まらないのですが、富山県なら優秀な人材を集めることができるのです。地元なら知名度を上げる活動もやりやすいですしね。あとはコスト面でこちらのほうが安上がるということもあります。東京だと社宅など必要になりますし。

 

どんな人材が求められますか

我々は設備投資しなくてよい会社なので需要があるところは世界中どこでも行きます。そういう意味でフットワークの軽い人が求められます。拠点は魚津ですが年間に3ヶ月くらいの出張は当たり前ですから。また、我々は技術を売っている会社なので、常に今までと違ったことに取り組んでいかないといけません。そのためには進取気象な技術を持った人が必要です。自社技術も磨いていかねばなりませんが、時には技術知識の優れた人材の力も借りる必要もあるので卓越した技術を持った人を探しています。そのためにコストは惜しみません。終身雇用、年功序列の考え方は捨てないと世界では競争できないので。

 

人材育成の方針や社内教育、社長が常日頃おっしゃっていることなどを教えてください

我々の会社では入社して10年経たないと1人前ではないのです。その意味ではずっと教育ですね。基本はオンジョブトレーニングの繰り返しで、とにかく経験してこいと言っています。致命的でない限り失敗はしていいと。私は、失敗は財産だと言っています。失敗例を社内で発表するようにしていますがそうすることで同じ失敗が防げます。

 

職場環境に対する取り組みはありますか

例えば毎日30分仕事以外のことをミーティングしています。話題はなんでもいいんですよ。フリートークできる環境をつくるということです。私は日頃からフリーな雰囲気で議論せよ、会議でも何を言ってもいいと言っています。また、その時は上司部下の壁はないですね、技術者の集団ですから。そうしないとユニークなアイデアなんて出てきません。そして常に考えよと言っています。アイデアはいつ出るか分かりませんが、常に考えていれば何かのきっかけでアイデアが浮かぶものです。

 

技術の開発や継承についての取り組みについて教えてください

大体売上の2~3%を開発費にあてています。そうしていかないと次の技術を提供できないので。富山大学に研究員を3年くらい出向させることもしました。ただ一番大事なのはプラントの運転技術であり、そのプラントをどうやって動かすか、どう使いこなすかが一番のノウハウなのです。それは紙に書いてあるものではなく人の頭の中にあるものなので、ノウハウをもつ人材を掘り起こしていかなければなりません。最近わかったことは古い技術でも売れるということです。例えば30年前の技術で日本では陳腐化したものでも中国、インドではいま必要とされているわけです。日本に必要のなくなった古い技術をもつ、6070歳の人たちを集めて中国に行き、若い人たちと一緒に仕事させるといったこともやりました。

 

仕事の面白みについて教えてください

会社に入ったのだから面白いことをやれと常々言っています。例えば外国人とネゴシエーション(交渉)すること。特に中国、欧米では、ビジネスとは売り手と買い手双方の自己主張を戦わせるネゴシエーションだという考え方なので、相手の欠点をついてくるなど、いろんなことでゆさぶりをかけてきます。こちらもハッタリをかましたりすることが初めは苦痛かもしれませんが、そのうち面白くなってくるものです。

他にも、あるレベルになって自分で自分のスケジュールを調整できるようになると面白いと思いますね。明日は中国へ、とみんな平気で言ったりします。お客のところへ行ってしまえば、一番知識が詳しいのは担当者ですから、基本的なところが間違ってなければその人に任せます。いくつものプロジェクトが走っていますので、その担当者が会社の代表なのです。

また、我々と接してくれる海外の人はその国を担っているエリートの客が多いです。そんなレベルの高い人たちの要求は厳しいですが、顧客満足のためには顧客のレベルに合わせた返答をしていかなければなりません。そんなことを10年もやっていると必ず鍛えられ磨かれます。

 

従業員の方々への取材

機械設計部 若山善郎さん(今年入社)愛知県出身

機械設計部 安田健一さん(5年目)高岡市出身

プラント部 小林夏子さん(今年入社)魚津市出身

立会者

国際貿易部 本井靖憲部長

国際貿易部 武田晃典主査

 

どんな仕事をしておられますか

安田さん:製鉄・プラント設備の装置・機器の設計をしています。

 

若山さん:製鉄所設備の設計などですが、具体的に言うのはなかなか難しいです。

 

小林さん:私はプラント施工の計画、例えば配管の長さを計算して材料選定などをしています。配管の長さとか径とかをこちらで決めて業者に見積りを出したりするなど、いろんな仕事をしています。

 

仕事のやりがいや面白さ、達成感などについて教えてください

安田さん:やっぱりモノができたときですね。大きなものになると、長くて半年くらいかかります。設計段階でイメージする大きさと実物を見た大きさとでは全くイメージ違うので、初めて実物を見たときは「でかい!」という感じです。

 

若山さん:上司は自分の知らないことをたくさん知っているので、上司の話を聞いたりして自分が新しい知識を得ていくことが面白いです。

DEC若山さん
機械設計部 若山善郎さん

 

小林さん:楽しいなと思っていることは、専門用語や業界用語を少しずつ覚えてきて最近は分かるようになってきたことです。それと、プロセス計算が合ったりしたときにうれしいなと。少しずつ自分のできることが増えてきたのが楽しいです。

 

海外出張が多いとのことですがやはり大変ですか

安田さん:現地に行けば通訳もいますし、ある程度はなんとかなります。ただある程度聞き取れるようにはなりますが実際に会話するのはなかなか難しいですね。買い物などをするとき少し困ります。他にも仕事上で、頭のいいお客はするどい話や、つっこみをするので外国語での説明能力があるといいと感じます。

DEC安田さん
機械設計部 安田健一さん

 

武田主査:海外では日本とビジネスの考え方や国民性が違うので、契約などで日本のようには思い通りに事が進まず苦労することも多いです。日本だと口約束で済む内容でも海外では確実に約束をしないといけない。

 

安田さん:最初に上司に教えてもらったことは、現地で一番頼れる人をまず探す能力を養うということでした。この人に頼めば何とかなるという人とコミュニケーションをとって仲良くなることが重要だと教わりました。

 

入社のきっかけや経緯を教えてください

若山さん:リクナビで、たまたま見つけて面白そうだなと思ったのがきっかけです。学校も技術系の学校だったので。愛知県だと車、航空機関連の会社が多いですがあまりそういう分野をやりたいとは思いませんでした。プラント関係は地元で少ないので、就職の場所は気にしませんでした。

 

安田さん:現実にはいろいろまわりました。そのなかでDECを選んだ理由は、自分の技術力、知恵で自分を磨くことができそうな会社だなといった面、それと多売薄利よりもスケールが大きいものに携わるほうにやりがいがあるなと思ったからです。

 

小林さん:私が入社したきっかけは合同企業説明会です。私自身環境問題に興味があり、環境に関する仕事をしたいと思っていてまさにぴったりだと。環境に貢献している企業なのでそこに魅力を感じて入社したいと思いました。

DEC小林さん
プラント部 小林夏子さん

 

本井部長:彼女は今、バイオマス関連の仕事にも携わっています。

 

魚津の印象や、魚津に足りないところを教えてください

若山さん:思ったより不便しないなという感じです。アピタなどショッピングモールがありますし。ただたまに思うのが高岡イオンくらいの大きさの店があったらいいなということです。あとは映画館があればいいと思います。

 

本井部長:大きな公園があればいいと思いますね。家族連れで来て歩けるような場所がもっと市街地近郊にあれば。施設でなくても芝生の広場で良いのですが。

 

就職が難しい昨今においてこれから就職する人たちにアドバイスはありますか
安田さん:やっぱり勉強をもっとしておけばよかったですね。

 

小林さん:広く一般的に、社会人に仕事の話を聞いた方がよいと思います。

 

編集後記

世界を舞台に事業を展開している会社だけに、社長のお話から視野の広さや先見性をじかに感じとることができました。また、従業員の皆さんからはそれぞれエンジニアであることの誇りが十二分に伝わってきました。そんな皆さんの雰囲気が、社長のお話の中にあった「人間の知恵でモノをつくる」というフレーズをより印象づけているように思われました。

 

ダイヤモンドエンジニアリング株式会社ホームページ

www.diamond-eng.co.jp/

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プロフィール

uozusantaro

Author:uozusantaro
富山県魚津市の企業・産業を知ってもらいたいと感じている市職員グループです。

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