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元来、魚津という土地は知的生産の盛んな土地柄であり、その代表として「魚津の三太郎博士」が挙げられます。現在の魚津にも高い技術力をもつ中小企業が存在します。このブログは、それを広く感じてもらうために開設しました。

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ウォータージェットカッターで有名なスギノマシンを訪問しました

ウォータージェットカッターで有名な

スギノマシンを訪問しました

 

杉野芳宏 代表取締役会長
杉野芳宏 代表取締役会長

 

創業についてお聞かせください

創業者の父は魚津市出身でしたが、兵役の関係で関西に移りました。その後、サラリーマンとして機械工業に携わり、48歳の時に大阪で会社を立ち上げました。しかし、太平洋戦争でその会社は焼けてしまい、魚津に疎開し65年、現在に至ります。

疎開先としては、京都なども見て回ったのですが、当時はまだ電力供給されていないような場所も多く、最終的には、生まれ故郷である魚津を選ぶことになりました。

 

創業当時はどんなものを作っていたのでしょうか

当初はどんな会社だったのかを知ると、スギノマシンがどんな会社なのかが見えてくると思います。

パイプの中のクリーナ、つまり洗浄機械ですね。これの製作が始まりです。パイプはいろいろなものを通す役割を持っていますが、使い続けると内部に錆やゴミが付着するので、定期的な洗浄が必要になります。ボイラーなどに使われるパイプはクリーニングが義務付けられていました。こういった機械ができる前は、竹などで、パイプの中をつついていました。それを機械化したのが始まりです。空気圧回転式のクリーナを世界で初めて作ったのがスギノマシンです。

戦時中などは、飛行機用ガソリン精製のためにクリーナが多く使われていましたから、軍からも「スギノの製品がないと戦争に勝てない」と言われた時代でした。

 

戦争が終わってからはどのようなものだったのでしょうか

戦争が終わり、クリーナの需要は一度落ち込みました。しかしその後、日本の経済発展とともにその需要も回復します。国内でも、秋田、新潟の製油所で需要は出てきました。また、エネルギーは石炭⇒石油⇒原子力と変化してきましたが、スギノマシンもそれにあわせて製品を開発していくことになります。

開発を続ける中で、常に貫いて考えてきたことは、「洗浄方法を省力化・効率化できないか?」といったことでした。当初は空気圧、それが、空気では効率が悪いので高圧水を用いた現在のジェット洗浄に移ってきました。

 

水圧式チューブクリーナ
水圧式チューブクリーナ(1936年開発)

 

 水を高圧にすると、今度はモノが切れることがわかり、さらに様々なモノを切るために、水に粒子(研磨剤)を混ぜたりと発展していきます。気がつけば、クリーナが刃物になりました。水刃(カッター)です。

 水刃は今ではスギノマシンを代表する機械ですが、もともとそれを作ろうとしたわけではなく、クリーナの性能向上を突き詰めた結果、生まれてきたものです。そしてそれがさらに、穴開けや、原子力への応用技術へと派生したのです。

 

ここまで成功した秘訣はどこにあるのでしょうか

振り返ってみてわかったことですが、省力化・効率化を求めてきた結果、それが省エネにもつながりました。偶然にも、今で言う環境への配慮というものにつながっていたんです。

時代のニーズに合わせてモノ作りを行ってきたわけですが、それだけではなく、環境にも配慮したモノを作り続けたことが成功につながったのではないでしょうか。

 また、日本の経済発展を促した自動車産業に高圧洗浄が使われ、品質の向上に役立ったことがその一因かもしれません。

 

自動車産業にもクリーナが使われているというのはどういうことでしょうか

 自動車部品、特に車のエンジン部に洗浄機が用いられていることはご存知でしょうか。日本の技術力は皆さんも知るように、戦後著しく発展していきました。その構造上の品質は行き着くところまで行き着いたとも言えるでしょう。そうなると、パーツそのものをどうするかではなく、パーツにつくゴミをどう取り除くかが重要になってきました。そこで、日本は世界で初めて、車の心臓部であるエンジン部品に高圧の洗浄機を用いることにしました。

 以前は、「車を買ったら、数百キロは慣らし運転して、その後オイルを交換してエンジン内部のゴミを出す」なんてことがよく行われましたが、部品の洗浄を行うようになってからはこういう問題も少なくなってきたと思います。

 ほとんどメンテナンスフリーで動く自動車が最近増えていますが、それを陰でささえてきたのがスギノマシンであると自負しています

 

現在のスギノマシンの柱や目指していることを教えてください

現在では5つの「超」を柱にその技術の向上に努めています。「超高圧」「超精密」「超高速」「超微粒」「超仕上げ」がそれです。

例えば、「超微粒」については、物質同士を高速で衝突させることで物質を粉砕するようなものと考えてください。こうしてできた粒子は、すりつぶしたものと比べるととても細かく、今では、化粧品の艶出しなどに応用されています

医療への技術開発も行っており、今後展開していくつもりです。

 

企業同士の共同開発なども行っているようですが

企業同士の共同開発は、情報が漏れないように、協定を結んで進めることもあります。企業同士が得意分野について協力し、開発を早めるのがメリットです。ただ、この方法にもデメリットもあります。協定中はその技術を外に出せないなどの制約を受けてしまうので、独自に動くことが難しくなるといったことも起こりえます。

 

求める人材像について教えてください

「疑問をもち、関心をもつ」ことができる人材を求めています。それを、毎年新入社員にも伝えていますね。「なぜ」を3回繰り返したら、大抵の問題は解決することが多いはずです。

 例えば、オイルが焼けている臭いに関心がなければオーバーヒートしていることに気がつきませんし、おいしいものを食べても、味を感じようとしなければ、ただ食べているだけです。

 無関心な人がどれだけやっても何もつかめないのに対して、関心のある人は常に何かをつかむそんな気がします。

 何事にも関心をもって欲しいですね。

 

行政に求めることはありますか

先日、高齢者の行方不明の話題がありましたが、こういった問題も、行政がもっと関心を持っていたなら、もしかしたら防げたことだったのかもしれないと思います。

 やはり、関心をもつことが重要ではないでしょうか。

 

魚津について

片貝川や早月川や毛勝山など自然に恵まれています。魚津は海に焦点が当てられることが多いですが、山にも焦点を当ててほしいと思います

 それに加えて、魚津の水もすばらしい。不純物が少ないのか、工業製品が腐食しにくいんですね。そういう意味では魚津の水で耐久テストを行うと他の場所よりも、よい結果がでてしまうのでテストにならないのですが・・・。仮に他地域の工業用水を魚津市の水質レベルまで上げるとしたら、莫大なコストがかかると思います。それをくみ上げるだけで使えるというのは、本当にすばらしいことです。このような水環境をぜひ守っていかなくてはいけませんよね。

後は、道路整備がうまくいってないような気がします、ところどころ道が途切れていたりしますし。片貝上流の道ももっと利便性がよければいいのですが。

 また、パンフレットももっと改善したりして、ぜひ魚津を宣伝してほしいなと思います。旅行者が魚津の人に「おいしい料理屋を教えてほしい」というと、「な~ん、ないわ」といった話もよく耳にしますが、市民一人ひとりがもっと地域に関心を持つことが必要だと思います。

従業員の方々への取材

 

野口篤志さん 
研究開発部研究開発課 野口篤志さん
富山市八尾町出身(入社3年目)関東の大学で電気物理学を専攻


川理紗さん 
総務部総務課 川理紗さん

滑川市出身(入社2年目)富山の大学で経済学を専攻

 

どんな仕事をしていますか

野口さん:会社の商品・技術の開発とテストを行っています。大学では光について学んでいましたので、その知識がレーザー加工などに役立っています。

 

川さん:本社受付を担当しています。ほか、事務の仕事を行っています。

 

入社のきっかけや経緯を教えてください

野口さん:もともとは大学での研究を生かせるところと考えていました。それが、就職活動を続ける中で、技術力のある面白い会社に目が行くようになりました。そうして、会社の合同説明会で出会ったのがスギノマシンでした。「水でモノを切る」ってすごいことですよね。面白い会社だなと思ってぜひ働いてみたくなりました。なお、富山で就職するということは特に意識してはいなかったです。

 

川さん:大学も富山県内の学校でしたので、住み慣れた土地で働きたいという気持ちがありました。専攻は経済でしたが、ものづくりに興味があり、目に見える商品を販売できる会社をと考えていたところ、合同説明会でスギノマシンと出会いました。人事の方の人柄もとてもよかったのが印象に残りました。その縁で、今働かせてもらっています。

 

仕事のやりがいや面白さ、達成感などについて教えてください
野口さん:研究開発は、なかなか答えにたどり着けません。考えてテストして少しずつ進んでいく感じです。だからこそ、少し先に進むことができたときはとてもうれしいです。でも、進むにつれて矛盾が生じてきて戻ってしまうことがあるんですが・・・。あと、研究開発で生み出すものは、世の中にまだ出回っていないものが多いです。世界の中でも数人しかいないだろう技術者の一人であるというのは、本当に誇れることだなと感じています。

川さん:
スギノマシンは様々な業種・職種の方とお取り引きさせていただいているので、色々な方と接することができるのは誇れることだなと思います。また、色々な方と接する上で、接遇やマナーについても学ぶことができるので、自己啓発になり、毎日勉強になっています。お客様をご案内するときに、顔を覚えていてくれて「いつも元気だね」といった声をかけられると、本当にうれしいですね。

 

失敗などがあれば教えてください

野口さん:近くにあった素材を何気なく使って、壊したところ、その素材が実は10万円以上するものだということが後々わかったことがありました。先輩に怒られましたし、正直へこみました。でも「もう同じことは繰り返さない」と思うきっかけになったわけで、今思えば次につながる失敗だったかもしれません。ちなみに、その後、私についたあだ名が「クラッシャー(壊し屋)」です(笑)

 

川さん:会合にお弁当をお出しすることになっていたのですが、当日の会合直前になって弁当が足りないことに気がついたことがありました。その時は、先輩の適切な指示で、すぐさま追加発注し、事なきを得ました。先輩の機転を利かせた判断に感動しました。

 

学生時代にやっておいてよかったこと・やっておいたほうがよかったと思うことはなにかありますか

野口さん:大学の卒業間際になって、海外へ旅行をしたんですが、そういった機会をもっと増やしてもよかったかなと感じています。やはり違う文化を感じるのは楽しいですし、刺激にもなります。また、知らない人と会うことに対して、おじけづくこともなくなるんじゃないでしょうか。外国の方は特にアイデンティティがしっかりしていますから、対等に話すためには自分自身もしっかりしないといけないと改めて感じることができたと思います。また、就職活動の際には、たくさんの企業を見てほしいですね。ただ、そのときにはぜひ、自分自身の「核」のようなものを見つけておいてほしいです。何がしたくて、何ができるのか。そういったことをちゃんと一度見つめておいてほしいです。そうすれば、きっと自分にあう企業が見つかるはずです。

 

川さん:いろんな人と交流を持っておくことがよいと思います。人とのコミュニケーションは積み重ねがあって初めてできるようになるものなんじゃないでしょうか。常にそういったこと意識することが大切ですし、いろんな価値観を知るためにも重要なことだと思います。また、趣味をもつことも大切だと思います。就職すると時間がなくなりますから、学生時代にぜひ趣味を持ってほしいです。何かあってもそういったものがあれば、リフレッシュできるはずですから。後は、企業訪問をたくさんしてほしいです。職場の人間関係を知るためにもいろんな人と出会って雰囲気を感じてほしいと思います。

 

魚津の印象や、魚津に足りないところを教えてください

野口さん:一人暮らしでご飯を食べようと思うと、意外に定食を食べられるお店が少ないことに気がつきました。魚を食べたいと思ってもなかなか食べられないのが少し辛いです。ラーメンやカレーといったお店は多いとは思うのですが・・・。また、東京などに出かける場合も特に不便を感じませんし、自動車があれば移動にも困りませんね。

 

川さん:大好きなラーメン屋があるのがうれしいですし、地元の滑川に比べると、カフェやパスタ屋がたくさんあるので楽しいです。ただ、映画を見ようと思うと市外に出なければならないのが不便ですね。

 

 

編集後記

魚津の三太郎博士の一人でもある川原田博士(詳細はこちら)がスギノマシンの顧問を務めていたこともあったというスギノマシン。その洗浄技術が、今私たちの使っている自動車にも関係していることに気がついたとき、今の日本の技術力を下支えしてきた、すごい会社だなと改めて思いました。

関心を持つことが大切だと会長の話にもありましたが、まさにその精神が、今のスギノマシンを創り出してきたのでしょう。何事にも関心をもち、そして疑問をもつ。ものづくりに必要な精神を感じることができた取材でした。


スギノマシンHP
http://www.sugino.com/

 

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プロフィール

uozusantaro

Author:uozusantaro
富山県魚津市の企業・産業を知ってもらいたいと感じている市職員グループです。

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